[前回の記事]
雨上がりの尾鷲の街並みを散策した前回、今回は紀伊半島の内部へと入り込みます
旅2日目のステージは三重県から奈良県へ・・・
実はここへ寄る前に一か所立ち寄ったのですが、またそれは別の機会に
一夜を過ごした尾鷲市内から山の間を走る事一時間半
本線からくるりと坂をくだり辿り着いたのはここ、“瀞峡”です
読み方は「どろきょう」
埼玉の長瀞(ながとろ)と同じ文字
文字の如く瀞峡は渓谷の観光地
その崖の上には“瀞(どろ)ホテル”と言う、元宿泊施設が現在は喫茶店として営業をしています
崖上から川へと下りていくその途中に瀞ホテルが待ち構えている訳です
なんとも面白いアプローチ
昭和を感じる瀞ホテルの看板
創業は更に更に昔の大正6年
自然が目玉の観光地にはやはり歴史がありますね
振り返ってみて
上っていくのではありません、下って来たのです

静かな山奥に突然現れる景勝地、“瀞峡”そして“瀞ホテル”
3階建ての堂々とした建築物が渓谷に聳え立っていました
今回の旅、旅程がほとんど決まっている中、たまたま見つけたこちらの施設
予定を組み直し、急遽訪れる運びとなりました
ルテホ瀞
飲食スペースは日が差し込み温かい空間
食事によっては要予約の物もあるので訪れる際には事前に確認しておくと安心ですね
僕はアイスカフェオレをいただきました
とにかく絶景
上流から奥瀞、上瀞、下瀞と呼ばれ、この辺りは“上瀞”に当たります
ゆったりとした川の流れと共に、ゆったりと時間も流れてゆきます

ぼんやり景色を楽しんでいると渡し舟が通りました

くねくね曲がるあの先は船に乗らないと分かりません
気付けばお客さんは僕一人に
なんと明治時代の写真がありました
支払いを済ませお話を伺っていると、上階も見ますか?とお声をかけていただきました
お言葉に甘えて覗かせていただくことに・・・ありがとうございます・・・!
この階には貸切りで休憩できるお部屋があります
手すりの造形や色合いにも、長い長い時間の流れが感じられますね
2階は下の階より更に開けていました
回廊になっていてパノラマの瀞峡を望めます
紅葉の木からはひらひらと木の葉が舞い煌めいていました
風流すぎる!!
左手に渓谷、右手に和室
つきあたりに鏡があるのも昭和の景色
廊下に落ちる手すりの影が面白いですね

灘 若林醸
戦前に贈られた鏡でした
“銘酒 忠勇”
最近は広告が載っている鏡を見かけなくなりましたね
地酒のロゴってカッコいいよね
右側の和室には六號室の文字が
他にもたくさん客室があったのでしょう
ふと対岸に建物が見えました、別館の様です
吊り橋で繋がっていましたが現在は橋も渡れない状態に
下を覗くと浴場らしき跡が・・・
瞬く星空の下で浸かる露天風呂は最高だったのでしょう
100年前と同じ景色を見ているんだろうなぁ~
壁では"瀞"の文字の練習(筆)
角を曲がって静かに振り返る
館内の至る所には旅館の面影が残されています
陽の光が入る部屋を覗けば水道が4機
木目調の冷蔵庫から、香る香る昭和のにほひ
遊戯コーナーも
瀞ホテル時代から遊べたのかな?
電気スタンドもいい雰囲気
閉店時間も迫って来たのでそろそろ退店
見学させていただきましてありがとうございました!
旦那さんによると、ここから更に奥に行ったところに“山彦橋”と言う、
眺めの凄い良い吊り橋があるとの事だったので見に行ってみる事にしました
瀞峡めぐりの乗船場を横目に舗装された道を進んで行きます
途中、歩道脇でひとつ75円時代のアサヒビールの空き缶を発見
こちらはファンタ
昭和からの観光地を訪れるとあの頃の空き缶に遭遇します
ポイ捨ては良くないけど、うれしいひと時
プルトップ缶の黎明期ですね
缶の口が小さくておちょぼ口用です
こんな所をくぐって行ったり
吊り橋が見えてきました
って、結構高そうだぞ、オイ・・・
なんと吊り橋の脇には民家がありました
左は民家への石段、右は吊り橋へと向かう道
平成23年に起きた紀伊半島大水害の際には川の水量が
なんとこの高さまで来たとの事・・・
瀞ホテルの別棟もその時に流出してしまったようです
吊り橋はしっかりとしていました
しかし高所恐怖症の僕は景色を楽しむ余裕もなく、1/5程進んだところで足がすくんでしまい泣く泣く引き返すことに・・・

“昭和十亥歳葉月竣工”
昭和10年、いのしし年、8月、竣工ですね

道を戻り河原へと降りてみました
右側に見えるのが瀞ホテル、下から見ると立地が凄い事この上なし。

渓谷は深く、三階建ての建物も下から見るとミニチュアの様に小さく感じます
館内から見た吊り橋も辛うじて架かっている模様
そして対岸の別館です
軒には右文字で“瀞ホテル別館”と扁額が掲げられていました
どうやって建てたんだろ?対岸から材料運んだのかな?気になります
上からは穏やかに見えた瀞峡も、
下に降りると深そうな所では渦を巻いていました
“瀞”の文字には「川が深くて流れが非常に静かな所」の意味がありますが、
自然は分かりませんね
西日を浴び貫禄さに拍車を増す瀞ホテル
閉館した後もゆったりできるスペースがあります
どうやらこの辺りは奈良県、三重県、和歌山県が交差する“三県境”の様ですね
少し昔の雰囲気すき
少し昔の雰囲気すき

瀞峡のすぐ隣にはなんと交番があります
しかもそのすぐ近くには瀞郵便局があります
で、その更に隣にはなんとも趣のある建物
“旧”瀞郵便局なのかなぁ・・・🤔
レアタイプの塩ホーロー看板が下りていました
雑貨屋兼、簡易郵便局な感じだったのかな?
交番あり、郵便局ありで、旅人と地元の人が行きかう景色があったのでしょう
駐車場は綺麗に整備されています
日も傾いてきたので急いで次の目的地へと向かいます!
何万年とかけて出来上がった自然の驚異を目の当たりにしては心が動く、
この感覚は今も昔も変わっていないのでしょうね
《2021年11月探訪》